「服を買う心理」を知り、「今、買う理由」を作り出すために必要な力を身に付ける

アパレル業界のためのマーケティング研修

テーマ
営業 ビジネス・問題解決スキル マーケティング クリエイティブ・発想
形式
ワーク型 オンライン オンデマンド
対象者
新入社員 若手社員 中堅・マネージャークラス

講座概要

トレンドで売れた時代が終わりを告げた今、何が必要か?

かつてアパレル業界では「トレンド」が売上の支柱を担っていました。トレンドを作り、トレンドを浸透させ、そしてトレンドに対応した新商品を投入する、つまり「プロダクト・アウト」の発想が市場を動かしていた業界と言えます。 しかし、2020年対比で既にアパレルに対する家計内の支出額は約半減しマーケット自体が大きな変化を迎えています。さらに「自分らしさ」の姿が多様化し、トレンドの中に理想の姿を描くことをしなくなった消費者は、個別に理想を叶える服を求めるようになっています。またデジタル化によって、店舗に行かずとも入手できる旬な情報やコーディネートの実例も溢れ、さらにECやモールなどの販売チャネルの複雑化も加わった結果、従来型の販売モデルは曲がり角を迎えることとなりました。そのため、次の販売モデルや提案スタイルの構築が求められています。 そこで活動の軸となるのが、消費者の購買意欲を喚起させる「アパレル・マーケティング」です。

この研修で得られるもの

  • アパレル業界を含め世間のあらゆる消費活動を、印象や感想ではなくマーケ視点で分析することができる
  • 売上が伸びない時に、近隣の店舗や他のメーカーサイトを分析する以外にもやれることを増やすことができる
  • いつ使えるか分からない情報よりも、実務で使用できるマーケティングメソッドを知ることができる
  • 「効果の出るマーケティング」と、「マーケティングの真似事」の違いを理解できる
  • 状況に応じて必要とされる「打ち手」の違いを知ることができる

このような方に最適な研修です

  • セールと割引のループから抜け出したいが、何をすればいいのか分からない。
  • 服のデザインは熱く語れるが、マーケティングの話になると的を得た話ができない。
  • 異動願いは出すものの、マーケティングの理解は不十分のまま本部職にエントリーしている方。
  • 店舗とマーケの連携が弱く、同じ会社なのにまるで違う組織のようになってしまっている。
  • なぜこの商品が売れているのか明確に説明できず、販売店舗を拡大できない。
  • アピールしている文言がどこにでもあるような言葉で、簡単に競合と比較される状況になっている。

本研修のポイント

ポイント①アパレル業界のマーケティングの理解のためには まずマーケティングの基本を理解する

マーケティングの基本を理解するためには一般に、SWOT分析や4P分析、セグメンテーションなどの理解が先行します。しかし、その手法を最初に学習をすると「マーケティング=フレームワークを学ぶ」を考えてしまうようになります。しかし、実務でマーケティングを実践し成果を上げるためには、“顧客”から始めるマーケティングを理解することが最も重要です。つまり、“顧客”を動かす方法を知らず、フレームワークだけを理解しても、それは単なる状況を分解するだけの作業になってしまうからです。

ポイント②アパレルのブランド体験の設計手法を知る

マーケティングとは何をするものか?を理解した後は、アパレル特有の理解へと進みます。しかし、アパレル=服を売る、と捉えると終始アパレルのマーケティングをセールスの連発という発想から抜け出せません。本当に必要なのは、「需要・トレンド創出」→商品の体験設計、「パーソナライズ」→ブランド体験設計、そして「トランフォーメーション」→EC&店舗の体験設計の3つを考えることです。いずれかが欠けても安定的な売上を保つことはできません。本講座を学ぶことで、3つの視点を手にし、どこに課題があるのかを理解できるようになります。

ポイント③アパレル業界の課題整理とマーケティング手法を接合させる方法を知る

実践のために最後に必要となるのは、各メンバーがそれぞれの施策をマーケティング視点で展開できるようになることが必要です。アパレルの場合は、「顧客へのマッチ」「競合への競争力の向上」「より認知されること」、この3つであることが必要です。これらを通じて「シェアを獲得する」のか、「利益率を高める」のかに結びついていきます。この前提には、現象を課題に落とし込み、それにミートする解決手法を一致させる力が必要です。多くの実務ではここを学ばないために、乖離が発生し、施策が空転しまう原因になっています。

アパレルの特殊性を知る前に、 まず「マーケティグ」の本質を理解する

アパレル業界でマーケティングが語られる際、成長しているブランドのデザインに注目が集まるケースが多く、成功の秘訣は「デザイン」に終始することが多くあります。しかし、それでは本質的な課題を見誤ってまま、デザインに資源を注力すれば良いという思考になってしまいます。しかし本当に必要なのは、表層的な現象分析したものをマーケティングと呼ぶことでも、成功事例の羅列を知ることでもありません。市場と顧客をどのように振り向かせることができたのか、その反応を生み出せるポイントの特定と届ける情報の質、そしてそれらを含めた構造の理解です。この理解が不足したまま施策を乱発すると、成功確率が低く、かつ再現性の低い施策を乱発することとなります。そこで本講義では、マーケティングの本質の理解から入り、そもそもマーケティングとは何をするものなのかの理解からはじめていきます。

アパレル業界のマーケティングでは、何と何を変えるべきかを知る

マーケティングの本質を理解した後の第2部では、いよいよアパレル業界のマーケティングの展開方法について解説をします。アパレル業界の特殊性は、プレイヤーやブランドの圧倒的な多さから、差別化したブランドを顧客を認識させにくいというものがあります。さらに、デザイン上の優位性も1シーズンは持たず、その結果、セールや割引で顧客の購入率を向上させることが常態化しています。その結果、安定的な顧客を形成できず、「安さ」で動く顧客を取り合うこととなります。
そこで他のブランドから頭を1つ、2つ抜け出すためにアパレル業界のためのマーケティングがあります。マーケティングの発想を取り入れ、顧客の「体験」にフォーカスする思考です。購入率という最終フェーズの指標のみを上げるのではなく、「このブランドでなければならない」という顧客の需要を作り上げるために必須となる思考です。さらに、市場と顧客はどのようにポジショニングされ、顧客はなぜそのブランドを買うのか、なぜあのブランドは苦境に陥るのか、それを明確に説明できる力を養います。

全ては「購買意欲」と「転換率」を上げ、自社の売上をつくるために。 具体的な現象に向き合う力を養成する

マーケティングの実践で最も大事なのは、「正しい課題」と「適切な施策」を繋ぎ合わせることです。これが出来ない方が多いのがマーケティングの実務です。 例えば、セールや割引を行っても、昨年と同様の売上が作れない時、「割引率が他社と同じだから売れない。もっと割引率を下げないと」と発想してしまいがちです。しかし、売上と割引率の2つだけで市場を捉えてしまうと、施策を見誤ることになります。この場合、「割引率」ではなく、セールや割引に反応する層と人数の「総和」を見ることで、有効な手立てを講じることができます。つまり、課題と施策は繋がっている必要がありますが、実務では複数の要素が複雑に絡み合い、「できることをやる」が繰り返されています。
そこで最も必要とされるのは、正しい課題を特定し、その課題に対して正しい施策を合致させることができる人材です。そこで第3部では現象の分解法から、課題ごとに有効となる施策の違いを理解します。

講義資料は、類似テーマの講座からの引用で、イメージです。

想定カリキュラム案

時間 講義内容
第1部 マーケターとは何か?
  • マーケティングとは?
  • 顧客体験の作り方
  • 五感設計/4P/PerceptionFlow/カスタマージャーニー
  • 三位一体ブランディング
  • マーケターマインドを取り入れる
第2部 マーケティング課題の視点
  • 機能しないマーケティング
  • 課題を解決する力
  • 課題に辿り着ける人材へ
  • マーケティング課題解決に必要な視点
  • 質問する力
第3部 アパレルとは何か?
  • アパレルについて
  • アパレルで必要となるブランド体験設計3つのステップ
  • 需要トレンド創出(商品体験)
  • パーソナライズ(ブランド体験)
  • アパレルの顧客体験設計
第4部 アパレルマーケティング課題の整理の仕方
  • マーケティング課題を見る4つの視点
  • 商品体験の問題
  • ブランド体験の問題
  • 店舗体験の問題
  • 体験別問題の相関図
  • インサイトタイプ/マーケットポジション/ファネル/:バトル時の整理
  • ケーススタディー:課題別マーケティグアプローチ事例

想定カリキュラムです。ご希望に合わせてカスタマイズ可能です。詳細はご相談ください。

講師候補の紹介

矢野 健一氏

D&Fクリエイツ 代表取締役社長

新入社員としてアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。主にメーカー、サービス業の業務改革や経営効率化のプロジェクトを推進。その後、45歳までに社長になると決意。そのためにはマーケティングの力が必須であると確信してP&Gに転職。
当時、最短記録でブランドマネジャーに昇進すると、「ファブリーズ」、「プリングルズ」、「パンパース」のブランドマネジメントを担当。その後リーバイ ストラウス ジャパンのマーケティング責任者を経て、42歳でモルソン・クアーズ・ジャパンの代表取締役社長に就任。予定より3年早く夢を果たす。ZIMAとコロナビールを柱に2年連続で歴代売上記録を更新し、大きく業績を伸ばす。 その後はブルーボトルコーヒージャパンの代表、アサヒコの代表取締役社長として、社員中心の経営、3rdウェーブコーヒーのブランド育成や海外進出、プラントフォワード事業などの新規事業を推進。 現在は経営・マーケティングのコンサルタントとして独立。会社のパーパスやバリューを商品と一緒にブランディングして競争力に変える三位一体ブランディング手法を開発して、社員が誇りとやりがいをもって働く環境づくりを目指して活動している。

当社教育講座・研修に登壇実績がある方より抜粋

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